補助事業番号 2023M-260
補助事業名 モビリティを考慮した小型空撮用広角中心窩レン ズの開発 補助事業
補助事業者名
愛知工科大学工学部・清水創太
研究の概要
広角中心窩レンズは,視野内で拡大率を急激に変化させ,人間や猛禽類の眼のように「広い視野」と「高倍率」を同時に実現する光学系である.従
来,レンズには高倍率をもつが視野の狭い望遠レンズ,あるいは広い視野をもつが倍率の低い広角レンズのいずれかしか存在しなかった.観測対象
が遠方にあって激しく動き回る場合に,望遠レンズは視野の狭さゆえにしばしば対象を見失い,広角レンズは倍率が不十分で詳細な観測が出来ない
という問題が生じることが容易に想像できる.広角中心窩レンズはこのような問題を解決するために考案され,捉え逃しなく視野中心部分の高倍率
の領域で詳細な観測を行うことが出来る.申請者が2020年度に開発した次世代型高画素撮像素子用広角中心窩レンズは,従来のレンズと比べ第
1レンズ第1面が鏡胴内に納まるような飛び出し量を大きく抑えた激しいカメラワークに耐え得るものとなった.本年度の研究においては,「広い
視野」と「高倍率」を同時に有することで地震や津波等の自然災害時のレスキュー活動に貢献するドローン用の小型で軽量かつ十分な光学性能を有
する広角中心窩レンズの開発に取り組む.
(1)モビリティを考慮した小型空撮用広角中心窩レンズの開発に関する研究
以下に実施した内容を示す.
1.試作光学系の目標仕様を決定した
2.目標仕様に基づき光学設計をスタートし9月中旬までに完了した.
3.機構設計を10月中に完了した.
4.11月末までに試作機を完成させた.
5.各種フィールドテストやMTF測定による光学性能評価を行った.
図1 開発したレンズ試作機の写真
図2 開発したレンズ試作機のドローン装着時の写真
図3 試作レンズの鏡筒及び組付図
図4 光学性能評価MTFデータ
本研究は2023年度公益財団法人JKAの補助事業(研究補助)により実施されています.
Last Update 2023.3.31